礼儀正しさは、その人の物を扱う手で分かる
ビジネスシーンや食事中、外出先の様々な場所で背筋を伸ばし、ピリッと
した雰囲気を纏い、礼儀正しくそしてスマートなおもてなしをされる方が
沢山おられます。
あるいは、凛とした佇まいで、穏やかに微笑み話しかけて来られるご婦人。
丁寧で奥ゆかしさと思いやりに溢れたご対応に、温かい気持ちになります。
礼儀正しさには、どんな世界があるのでしょう。
その人の手から心と姿勢が伝わる世界
けんかをしている時、やり場の無い怒りをモノにぶつけ、あたる人がいます。
逆に、良いことをした子供に「偉かったね」と言って丁寧にほめる時も手を
とり頭を撫でたり、嬉しくて喜びを表現する時も手を取り合ったりします。
手は心の感情をダイレクトに示しているように思います。
そして、病人の痛い所にそっと手を添える手当て。
子供の頃も大人になっても、そして高齢になっても手当は有効です。
不思議な感覚なのですが、治れと思っているからか、よくなるのです。
また、武士の末裔である方に挨拶の仕方をお聞きする機会がありました。
礼をする時、あなたに刀を抜きませんという姿勢から、左手で右手を隠し
挨拶をするのですと教えてくれました。
心の内を手で表現していたのですね。
挨拶と手のしぐさから本質が伝わる世界
仕事で書類を受取る時、片手では受取りませんよね?渡すときも!
そして受け取る時に、お願いします~と言われたら・・
ありがとうございます~が基本だと思います。
でもでも、以外とツーーーーンってなる時ありませんか?
もしくは違う事を話しながらなので、何もナシとか。
その挨拶と手のしぐさ、イケマセンデス。
テーブルにコップやモノをガンッ!と置いたり、引き摺って動かしたり
これは怒っていないけれど常にそうする方もいます。
これも礼儀のひとつ、丁寧に扱えない人は美しくはありません。
ガラスのテーブルなら、そっと置くと思いますがたとえ使い古した机でも
そっと置く気遣い、配慮がモノを大切に扱うという気持ちになります。
そしてそれは、人に対して丁寧な心で接することに繋がります。
人やものに対する敬意をはらう世界
物を掴む手、指し示す手、目は口ほどに物を言うと言いますが、手も目と
同じくらいしぐさや、物の扱い方にその人らしさが出てきます。
粗雑に扱う事は、大切にする心が欠如してきているのです。思いやりも。
手を通して人に対する思いやりや気遣いは茶の心に通じています。
古くからあるお茶道具を愛でるため、低い姿勢で大切に持ち鑑賞します。
あくまでも、低い位置で持つことにお茶道具や亭主への敬意を表します。
手を添えるだけでも大切に扱ってくれていると相手に伝わるのです。
まとめ
礼儀正しさは、人が物を扱う手のしぐさから心のうちが垣間見えるのですが、
分かっていただけましたか?
物を大切に扱える人は、人も大切に想える方で、それは相手への敬意と礼儀を
心得ている人なのです。
近くにもおられますよ、きっと。